ファナック制御の覚えておきたい主要なGコード
NC機を使う際、多くのコードを使用しますが、対話型のプログラミングソフトや、 CAD/CAMに頼ることが多くなります。
ファナックとオークマOSPの制御を使用している筆者。
当記事では、マシニング初心者のための「ファナック制御のこれだけは覚えておきたい!」そういったGコードをまとめました。
加工のために必要なコード
輪郭切削をする際に、必ず切削送りの指令が必要です。
- G01 切削送り
- G02 時計回り切削送り
- G03 反時計回り切削送り
この3つを押さえておけば大丈夫です。
G02では時計回りの意味でCW(CounterClockWise)、G03では反時計周りの意味でCCW(ClockWise)と表記されることがあります。
2次元加工の域を超え、2.5次元などの加工をする際には平面の変更が必要ななる場合があります。G02やG03の円弧司令を行うときは、平面の設定を行わなければ思うように動かないこともあります。
平面の変更をするコードは以下です。
- G17 XY平面
- G18 XZ平面
- G19 YZ平面
平面指示を間違えると予期せぬ動作をしたり、形状を誤ることがありますので、NCデータの編集を行った際には必ずドライランでの確認を行いましょう。
位置決めのためのコード
早送りでの移動はG00ですが、ボーリング加工やリーマ加工などの高精度位置ぎめが必要な場合、各軸のバックラッシュを取り除くために座標値と同じブロックにG60を入力します。
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G98 G81 Z-30. R5. F100. ;
G60 X100. Y100. ;
G80 ;
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といった具合です。
パラメータにより決められた値の分だけアンモーダル側に動き、そして戻る。
実際のバックラッシュ量以下の設定値だと意味がありませんので、バックラッシュ量を測定した上で、それ以上の値で動作するように確認しましょう。
固定サイクル高速化
固定サイクルを使用する際に、復帰点の指示を必ず入力します。
- G98 イニシャル点復帰
- G99 R点復帰
上記二つのコードが主となります
加工箇所が多く、移動範囲に障害物がなく接触の可能性がない時には、接続移動時間の短縮のためにG99を使います。
万が一に備え、NCデータ出力側のデフォルトの設定はG98にしておくことをお勧めします。
番外:クーラントに関するMコード
クーラントに関するMコードを紹介いたします。
これもソフト側での設定がありますので、ポストが確立している企業、マシンであれば覚えていなくてもいいでしょう。ただ、知っていて損はありません。
- M07 オイルミストON(内部給油オイルミストON)
- M08 クーラントON
- M09 全クーラントOFF
- M50 エアーブローON
- M51 内部給油クーラントON
オイルミストや内部給油は仕様によりますので、動作しないマシンがあります。
MQL加工(オイルミスト加工)
加工面精度や工具寿命の観点から、近年MQL加工が高い信頼を得ています。
重切削を行う場合は、少々条件が難しいところではありますが、高硬度材の切削の時などは大変重宝します。
もしも使用するマシンがオイルミスト機能を搭載しているのであれば、活用した方が製品にいい影響があります。
条件出しには十分注意してください。
まとめ
基本的な動作を担うコードをいくつか紹介してきました。
仕様や制御によってかなり違いの出るところですので、マニュアルにてしっかり確認することを徹底してください。
当記事にて記載しているものは、マシンの動作を保証するものではありません。
最後までご覧いただきありがとうございました。