マシニングセンタ、複合旋盤の工具を紹介【マシニング歴10年超え現役オペレーター】
皆さん、おはようございます。こんにちは。こんばんわ。
当記事ではマシニングセンタや複合旋盤などにNC工作機械に使用される工具をご紹介していこうと思います。
ドリル
製造工程において、穴を開けるとは基本の加工になります。
穴加工といえばドリルです。キリと呼ばれることもあります。
被削材により工具材質を選ぶことがあります。
- 鉄
- ハイス鋼(高速度工具鋼)
- 超硬
主に用いられるのは以上3種類。
鉄
鉄製のドリルは木材加工に用いられることが多いです。
業務上で金属加工の際に使用したことはありません。
唯一の経験としては、DIYでアルミの鋳物に穴を開けようとしたことがありますが、歯が立ちませんでした(笑)
ハイス鋼
ハイス鋼のドリル、は金属加工する上で最も多く使われている材質です。
メリットは対応する径寸法や有効長など、ラインナップの豊富さが大きな魅力です。
被削材を選ばず、幅広い用途で加工が可能です。
デメリットは、超硬と比べた際の加工速度の遅さと刃持ちの悪さです。
超硬
超硬は最も硬度の高い材質の一つです。
メリットはなんといっても加工速度です。場合によってはハイス鋼の10倍以上の速度での加工が可能です。硬度が高いので一部の焼き入れ鋼(HRC50以下)にも穴加工が可能です。
デメリットは高額である上、硬度が高いために脆性が低くチッピングなどの問題が生じやすいことです。
フェイスミル
ワークの面切削に大活躍のフェイスミル。
1パスで広い範囲を切削可能です。切削量が多い場合、加工能率においてその他の工具とは比になりません。
マシニングセンタの基本である6F加工はフェイスミルあってこそです。
主に45度タイプと90度タイプがあります。
ワークのクランプ状態や、加工条件などにより使い分ける必要があります。
45度タイプ | 90度タイプ | |
切削面精度 | 細かい | 荒い |
立ち壁加工 | 不可能 | 可能 |
切削抵抗 | 小さい | 大きい |
ちなみに私は45度タイプを愛用しています。
90度タイプが好ましいシチュエーションもありますので適宜使い分けましょう。
エンドミル
エンドミルには多くの形状がありますが、NC機にとって最も重要な工具の一つです。
主なものは次の3つです。
- スクエア
- ボール
- ラジアス
スクエア
最も一般的なエンドミルです。側面加工や溝加工などの基本的な輪郭切削を可能にするのがスクエアエンドミルです。
刃長や径寸法、工具形状などが多く展開されています。
3次元的な複雑な形状を切削することには向いていません。
ボール
主に多軸加工や複雑な形状、切削抵抗を抑えた点切削を行いたい時に重宝します。
工作機械の精度が磨かれ、複雑な形状の加工を求められる現代では、最も主流となってきているタイプのエンドミルになります。
CAMによっては、ボールエンドミルでなければパスが作成できないこともあります。
ラジアス
スクエアエンドミルとボールエンドミルの要素をどちらも兼ね備えた工具です。
シンプルな立体形状であれば切削可能ですし、ワークや加工内容によってはスクエアエンドミル同様の使い方も可能です。
特殊形状の一種になりますので、ラインナップが細かく用意されていないことがあります。メーカーによってはオーダーで任意の形状が設定できる製品もあります。
まとめ
主となるいくつかの工具についてご紹介しました。
世の中には数えきれないほどの切削工具が存在します。
用途が限定的なものは特に、専門的な加工を行うためのものですので利用する方はほんの一部でしょう。
当記事にて紹介したものは基本中の基本と言えるものですので、ほんの少しの知識を身につけていただくためにご活用ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。